幼なじみが、バレエの発表会に出ました。
50代後半にして、おそらく初めての舞台です。
彼女とは小学生の頃からの付き合い。
同じ器械体操部で、高校三年生まで一緒に過ごしました。
そして今回の発表会には、当時の同級生の部員が全員集合。
こういう時、
「じゃあ、みんなで観に行こう」
と、ちゃんと集まる私たちです。
彼女は高校一年生の時、膝に大きなけがをしました。
体操選手として、きっと悔しいことがたくさんあった。
それを知っている仲間だからこそ、
今回、彼女がバレエの舞台に立つことには、
自然とみんなの気持ちも高まっていたように思います。
そして当日。
私たちだけではありませんでした。
旦那さんも、娘さんも、娘婿さんも、お姉さんと妹さんも。
彼女の舞台を見ようと、たくさんの人が集まっていました。
そして、舞台に現れた彼女は、
とても、とても美しかった。
誰よりも気品に溢れていました。
そうだった。
この人は昔から、身体がきれいだったんだ。
特に上半身。
デコルテから腕にかけての美しさには、
学生時代の私も、よく見惚れていました。
そんなことまで、舞台を見ながら思い出しました。
もちろん、跳んだり、はねたり、回ったり。
そういったバレエのテクニックもあるでしょう。
でも、この日の私には、
そんなことは二の次でした。
50代後半という年齢。
高校時代に負った古傷。
そして、私たちには見えないところにも、
ここまで来るためのいろいろなことがあったのだと思います。
それを抱えた身体で、
彼女は舞台に立っていました。
そして、その姿を見るために、
家族が来て、姉妹が来て、
昔の仲間たちまで集まった。
一人の人が、
本気で何かに向かう時。
そこには、理屈では説明できないエネルギーのようなものが生まれるのかもしれません。
その人だけではなく、
周りの人まで動かしてしまうようなもの。
「何歳になっても挑戦できる」
もちろん、それもそうなのだけれど、
私があの日感じたのは、
もう少し理屈ではない何かでした。
なんだろうね、これは。
終演後、私たちから彼女へ花束を贈りました。
この花束にはきっと、
「おめでとう」だけじゃない。
ここまで来た彼女への思いと、
見届けることのできた私たちの喜びと。
あの日、あの場所に集まった人たちの、
いろいろな気持ちが詰まっているような気がしています。
