映画「ミッドナイトスワン」

映画「ミッドナイトスワン」

やっと、DVDで見ることが出来ました。

観てから、ずーっと感動が続いています。

草薙剛さん、 素晴らしい俳優さんですね。



 事情から、一緒に暮らすことになった伯父さん←トランスジェンダーの凪紗(草薙剛さん)と、
後にバレエダンサーになる少女・一果が、
かけがえのない絆を結ぶ、美しい愛の物語でした。

 登場人物はみんな、少ーし狂気を帯びた人々
生き辛いこの世界で、もがく人々。
それぞれの生きる世界を端的に表現していて、
この物語を際立たせてくれています。

凪紗の壮絶な生き方と、バレエダンサーの美しさ、
生と死の対比を、幾重にも重ねるように表現されていて、
何度も何度も打ち寄せる波のように、
心を響いてきます。

キレイなものへの憧れは、
自分をキレイなものとして大切にしたい本能・本望なんだなって、感じます。



「自分を抱きしめたい・・・」

そんな想いになりました。

印象的なシーンから。

凪紗(草薙剛さん)が、「誰のために働いているんだと思ってるんじゃ!」と、
一果(後にバレエダンサーになる少女)に、言い放つと、
再度(1度目は実の母に言われた)、この言葉を浴びた一果は、
凪紗に反発して暴れます。
でも、その後、
凪沙は、「よーし、よーし」って言いながら、一果を優しく抱き寄せました。

この時、何かが動いた気がしました。

私も、凪紗に抱き寄せられた気もしたのです。

私たちは、自らを偽性にして、私達のために生きている人たちに、
感謝しないといけないと教えられてきました。

そういう人がいるから、自分たちが生きられるのだと。

例えば、両親、親戚、
例えば、戦争で亡くなった人たち。

これは正論だけど、
感謝しないといけないって思ってることは、
これは、これで満足しなければいけない とも捉えることが出来て、
ともすれば、これで満足できないのはわがままだと自分を責める声にも変わる。

先人や周りの人たちに気を遣って、萎縮していってしまう。

萎縮してしまったら、
示された、渡された、
を受け取らないことになるんじゃないかしら?

先人の本当の望みは、希望に向かって生きて欲しい だと思うんですよね。

戦争で命を失った人たちも、
望まない人生を送った人も、
人類の未来に望むのは、
希望に向かって生きて欲しい だと思うんですよね。

自分たちに感謝し続けて、萎縮して、
希望や夢と無縁に生きて欲しいなんて思って無いと思うんですよね。


愛を受け取って、
現代に生きる喜びを感じたい。

まず、愛を受け取らないと。

さっきのシーンだと、抱き寄せて優しく”よーし、よーし”されるところまで。
”よーし、よーし”されないまま、離れてはいけない。

愛を完結させるってとても大切なことのような気がしています。

母性とは、守り育てることらしい。



この美しい物語から、大事なことを得た気がするのです。



よく解らない感想になっている気もしますが・・・

今の気持ちを書いてみました。

とにかく、観て良かった・・・